揮発性有機化合物(VOC)排出抑制制度

平成16年5月26日に公布された改正大気汚染防止法が平成18年4月1日に施行されました。浮遊粒子状物質(SPM)および光化学オキシダントの生成要因の1つとされるVOCの排出抑制を図ることが定められております。この改正大気汚染防止法では、法規制と自主的取り組みの組み合わせによる「ベストミックス」と言われる考え方が採用されたことが特徴として上げられます。塗装、印刷、洗浄、接着、化学品製造の乾燥、貯蔵の6類型の施設で、それぞれに定められた排出基準値を上回る大規模施設は法規制の対象となるのですが、排出基準値を上回らない中小規模の施設や、6類型以外の施設、さらには規制において測定対象となる“排出口”以外の開口部や、施設外(屋外)での飛散についても『自主的に』削減の取り組みを行う様に定められております。規制対象となる施設においては、施行後年2回以上VOC濃度を測定する必要があります。

島津サイエンス西日本では、法規制で定められた測定機器である水素炎イオン化形分析計(FID)と触媒酸化-非分散形赤外線分析計(NDIR)の両分析計は勿論のこと、VOCの中でも排出抑制の対象から除外される8物質(※)の測定に使用する分析計や、VOC処理に対応した排ガス処理装置までトータルでサポートいたします。

(※メタン、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HCFC-124)、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141b)、1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-142b)、3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225ca)、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225cb)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(HFC-43-10mee)の8成分)

1. 水素炎イオン化形分析計(FID)

島津製作所 水素炎イオン化法VOC分析計
島津製作所 水素炎イオン化法VOC分析計
  • 小型(205×337×400mm)・軽量(8kg)設計のため、現場に持ち運ぶ測定が容易です。(ただし本装置は防爆構造ではありません。危険地区では使用できません。)
  • バッグ捕集、連続測定のいずれの場合にも、簡単な操作で測定ができます。
  • 大型液晶画面に、測定値とグラフを表示。 濃度変動を確認しながら測定することができます。
  • デジタルフローコントローラを採用していますので、安定した性能が得られます。
  • FIDの助燃用やゼロガス用の空気ボンベが不要で、ランニングコストを削減できます。
  • 内蔵コンパクトフラッシュへのデータ記録も可能です。(オプション)

2. 排出抑制の対象から除外される物質

浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成とならない物質は排出抑制の対象から除外されます。
除外物質と除外物質の測定に使用できる分析機器をご紹介します。

島津製作所 ガスクロマトグラフ質量分析計
島津製作所 ガスクロマトグラフ質量分析計
  • 新設計高輝度イオン源、ローノイズ検出器ユニット、差動排気型の新しいターボ排気系の採用により、クラス最高レベルの感度を実現しています。
  • ナローボアを用いたFast-GC/MSや、ワイドボアカラム直結による全量注入まで1台で対応可能です。
  • 長期安定性と精度管理機能を強化、MSナビゲータでメンテナンスまでサポートします。

3. 排ガス処理

島津理化 活性炭吸着式排気ガス処理装置 SGC-U
島津理化 活性炭吸着式排気ガス処理装置 SGC-U
  • 揮発性有機化合物を活性炭フィルタに吸着させて浄化する高性能の装置です。
  • 集塵機能を付加したタイプもオプションで用意しております。
  • 排出成分により活性炭量などを計算して各々のケースにオーダーメード対応が可能です。
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