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虫ムシコロコロ

[ 2013年度 ]


昆虫飼育のススメ(2014年 3月号)

虫という単語を聞くだけで背筋が凍る女性は珍しくないかと思いますが、最近は男性でもそのような方にお会いすることがあります。『見た目に気色悪い』『動き方がイヤ』『急に現れてびっくりする』等々、散々な扱いを受ける虫達ですが、生態系では植物・菌類の次に底辺を担う重要な生き物で、虫達が地球から居なくなったら人類は地球に生存できないでしょう。そんな講釈は抜きにして、虫が苦手な方に対して虫を大好きになれとは申しませんが、地球という集合住宅の居住者としての存在を認めてやって下さい。もし、彼らが部屋に進入してきても悪意はありません。殺虫剤を吹き付ける前に少しで良いので、勇気を振り絞って観察してみて下さい。もし、余裕があれば図鑑で名前を調べてみて下さい。彼が何者なのか身元が割れれば恐怖も和らぐでしょう。もしも、彼の食べ物が判った場合、気が向いたらしばらく飼ってみて下さい。貴方の知らない世界が広がり、人生の価値観が変わるかも・・・知れません。なんか宗教っぽくなりましたが、怖くて近寄りがたい所には宝物が隠されているのが世の常。覗いてみることをお薦め致します。

虫ムシコロコロは今回で最終回となります。ご質問や感想も沢山いただき、嬉しい限りでした。メルマガをご覧になるお客様に一息ついてもらえるよう、馴染みの薄い虫の題材も可能な限り柔らかい文章にする事で少しでもご理解いただけるように努めましたが、いかがでしたでしょうか。今日まで拙い文章にお付き合い頂き、本当に有難うございました!

                 (奈良営業所 赤阪)
 
アカマダラコガネ

雪上のユスリカ(2014年 2月号)

毎年この季節になると越冬する虫達の話を書いていますが、野外で服も着ずに平気で居る虫を見るたびに感心してしまいます。雪が積もると必ず見かけるユスリカ(私は同定できないので正式名は不明)も、数ミリほどの小さな身体でどうして平気なのか不思議でたまりません。通常、他の季節に見かけるユスリカは短命なので、この雪上のユスリカも短命であろうと推測します。とすると、雪上のユスリカはこの厳寒の最中に一斉に発生して雪上で異性と出会い、産卵まで済ませていることになります。実際に雪上で交尾しているユスリカも多数見かけるので間違いなさそうです。恒温動物である人間の中にも『気温が下がると動けなくなる』タイプがたくさん存在しますので、毛皮も脂肪もない小さなユスリカが雪上で活発に動ける仕組みを人間に利用できれば、氷点下で寒中水泳や日光浴なども楽しめそうです。まあ、そこまで出来なくても、早朝、あったかい布団の中から気軽に這い出る能力が欲しいこの頃です。。。


                 (奈良営業所 赤阪)
 
雪上のユスリカ
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冬の散策(2014年 1月号)

晩秋まで活動する虫は少なくありませんが、さすがに最低気温が氷点下になると真冬に適応した特別な種類以外は姿を見ることが出来なくなります。自宅の裏山をこの時期に散策しても目につくのは虫の卵ばかりです。虫の卵を見ただけで種類を同定することは結構難しいのですが、カマキリの卵嚢(らんのう:たくさんの卵をまとめて産み付けた塊)は種類ごとに形が違うので、成虫を見なくてもその場所に住んでいる種類が分かります。例えばオオカマキリとチョウセンカマキリの成虫は良く似ているので捕まえてみないと区別しにくいのですが卵嚢の形は全く違うので、冬に見つけた卵嚢の数でその場所でどちらが優勢なのかを判断する情報になります。ちなみに、カマキリは卵嚢を雪に埋もれない高さに産み付ける(らしい)ので、高い所に卵嚢が多い年は豪雪になるという説があります。ウチの近所の場合、産み付ける高さは毎年ばらつきが大きいのですが、そもそも雪がほとんど積もらないので影響ないのかも知れません。雪国のカマキリは他の地域のカマキリより高い所に産むのでしょうか?またしても私の調査項目が増えてしまいました・・・。
                 (奈良営業所 赤阪)
 
オオカマキリの卵嚢 ハラビロカマキリ卵嚢
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女郎蜘蛛のチカラ(2013年12月号)

急に極寒となった12月のある朝、お客様の駐車場脇の植木にメスの女郎蜘蛛(ジョロウグモ)が佇んでいました。しばらく見ていましたが微動だにしないので凍死してしまったのかな?と思い、確かめるために息をフゥ〜と吹き掛けると慌てたように歩き出しました。網も張らずに樹皮に掴まっている様子から、既にエサとなる他の虫もいなくなり、食事は諦めて、何か最期の大仕事に備えて力を残しているようにみえました。冬越しするのか、産卵するのか?女郎蜘蛛の繁殖サイクルを知らなかったので家に帰ってから図鑑で調べてみました。女郎蜘蛛は春に卵から孵化して、秋に成虫となり交尾、晩秋から初冬に産卵して一生を終えるので、成虫で冬越しはしないようです。とすると、私の見た女郎蜘蛛は多分長生きで、これから卵を産んで・・・という最終ステージにいたのでしょう。「さあ、あとは卵を産んで終わりや!」という決意のようなものを言葉も通じぬ大きな動物(私)に感じさせる小さき虫の命のチカラを知りました。


                 (奈良営業所 赤阪)
 
女郎蜘蛛
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ゾウムシの祟り(2013年11月号)

皆様はゾウムシという虫をご存知でしょうか。漢字では象虫と書きます。本物の象は鼻と上唇が長いのですが、ゾウムシは口が長くて象のような顔をしています。他にゾウムシの特徴としては体がとても硬い事と、死んだふりが非常に上手い事が挙げられます。小学校三年生の頃、半年程飼っていたオオゾウムシが死んでしまったので、標本にするため針を刺そうとしたのですが曲がってしまい、結局針を刺すのは諦めました。展足(姿勢を整える作業)だけ終えて乾燥させるために置いていたら、次の日オオゾウムシが姿を消してしまいました。そう、死んだのではなく、死んだふりをしていたのです。何十分も弄くられ針で突っつかれたにも拘わらず!部屋の隅で発見された彼はそれからもう1年間生き続けて天寿を全うしました。彼を標本箱の防虫剤中毒にせずに済みましたが、その罰を受けたのか、私はその後、軽度の化学物質過敏症になってしまいました・・・。
                 (奈良営業所 赤阪)



 
樹液に群がるオオゾウムシ
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野生のオオクワガタを知る人(2013年10月号)

一昔前、価格の面で話題になったオオクワガタは、薪などを取るために枝打ちされたクヌギに出来る洞を好んで住み処とするので人里に重なる形で分布を拡大してきた虫ですが、風呂や炊事に薪を使わなくなるなどの人間の生活様式の 変化や、宅地造成による雑木林の消失に伴って生活の場を無くした上に、現在も続くオオクワガタのみを目的とする採集者の節操の無い行動によりわずかに残った生息環境を破壊され、野外での状況は散々たるものです。その反面、飼育や養殖が盛んに行われているので、日本国内での個体数としては増加傾向(?)にあるかも知れませんが、『野生のオオクワガタを知る人』を絶滅危惧種として指定しなければならない状況でしょう。斯く言う私も、乱獲者と同類視されるのが嫌で、オオクワガタの採集へ出掛けることを止めてから10年以上が経ちました。採集の勘も鈍り、より厳しい状況となった今では、なかなか会えない虫となってしまいました。それでも他の採集のために山へ入ったときにオオクワガタが生息している痕跡を偶然見つけたりすると、『まだ居てはるんやね・・・気ぃつけや〜』とつぶやきます。
                 (奈良営業所 赤阪)

 
ホシホウジャク
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カネタタキの謎(2013年9月号)

毎年お盆過ぎぐらいから我が家の周辺ではカネタタキという極小さなコオロギの一種が発生して、チン・チン・チン・・・と静かな音を奏でます。ちょっとテレビを消すだけで、この控え目で心鎮まる小さな虫の音をシーズン中(8月〜11月)は家に居ながらにして楽しむことが出来ます。カネタタキが何を食べるのかは判明していませんが、私の経験ではカブト・クワガタ虫飼育用のゼリーを餌にしたクワガタムシ採集のトラップにたくさん入っていた事があり、甘いものが好きなのかも知れません。ところで、近畿圏(私の活動範囲)でカネタタキの鳴き声が聞けるエリアが年々増えているような気がします。近頃の猛暑厳冬と因果関係があるのか、カネタタキの食べ物が増えているのか?はたまた天敵が減っているのか、そもそも本当に増えているのか・・・云々、云々。インターネットで検索すると何でも答えが出てきてしまうので興醒めすることが多い昨今、検索しても手懸かりさえ掴めない真の謎を発見出来た時から私の楽しみが始まります。
                 (奈良営業所 赤阪)


 
ウラギンシジミ
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オニクワガタ山に帰る(2013年8月号)

夏季休暇中に今年もライトトラップをするために某県の高標高地へ行ってきました。8月中旬ということで今回の標的はヒメオオクワガタとオニクワガタの2種類です。子供3人を車に乗せて、気が遠くなりそうなほど延々と続く九十九折の山道を1時間半走り続けて現地に到着(自宅からは2時間半の道のりです)。この時期はミヤマクワガタの発生ピークを過ぎているので、この地でトラップに集まる虫は蛾や半翅類(ヨコバイやツノゼミ)が99%、コガネムシ類は極わずか。目的のクワガタが飛んでくるのを待ち続ける忍耐が必要です。残念ながらヒメオオクワガタは飛来しませんでしたが、5時間の実施でオニクワガタは大型オス1匹、メス3匹が飛んできて喜んでいたのも束の間。オニクワガタ♂を入れていた容器を崖に落としてしまいました!懐中電灯の光も届かないほど深く急斜面な谷だったので、その時はあきらめて帰宅。がしかし、翌日やはりあきらめきれず、ガソリン代節約のためバイクで再訪し、登山用ロープを垂らして崖を降り沢を下って探索。容器を発見しましたが落下の衝撃でフタは開いており、オニクワガタ♂は山に帰ったあとでした。ご無事(?)を確認できて嬉しくもあり、悲しくもあり・・・。
                 (奈良営業所 赤阪)
 
アカアシクワガタ
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そこに居るけど居ない虫(2013年7月号)

そこに居るけど居ない虫。この虫はちょっと緑の多い公園などにも生息していて、かなり身近な存在ですが存在感がありません。まず、気が付かない人が8割。気が付いても虫と思わない人が1割。虫かな?と思っても『なんだ、やっぱり何かのフンか…』と過ぎ去る人が0.8割。この虫を知っていて、『今日は居そうだな〜』と探していて見つける人が残り僅かな確率に含まれる・・・、そんなイメージでしょうか。大きさは2〜3ミリ。見た目は毛虫のフンにそっくりで、鳥や人間の気配を察知すると脚を縮めて存在感を消し去ります。成虫は糞に擬態していますが、その幼虫は糞に住んでいます。親虫が卵を産むときに自分の糞を卵に塗ることで卵を糞に擬態させ、その卵から孵化した幼虫は親虫の塗ってくれた糞で家を作り、ヤドカリのように糞製の家を背負って移動します。その糞の家に自分の糞を継ぎ足して自分の成長に合わせて家も増築(?)します。外敵が近付くと家に籠城して糞になりきります。またもや居るけど居ない虫。この虫の蛹を私は見たことが無いのですが、果たして糞を利用しているのか?エサとなるコナラの葉が手に入れば飼育自体は易しそうですので、近いうちに飼育して調べてみたいものです。個人的には遮光器土偶に似ているといつも思い、その造形美に憧れもありまして・・・。さて、その虫の名前はムシクソハムシ(虫糞葉虫)。虫の糞のような葉虫という意味でしょうか。ストレート過ぎて救いようの無い命名ですが、とことん糞に擬態することで力強く生き延びるこの虫を見ていると、『虫糞でもとことんやったら何とかなるんやで!』という声が聞こえてきそうです。
                 (奈良営業所 赤阪)
 
ムシクソハムシ(虫糞葉虫)
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ヒラタクワガタ採集(2013年6月号)

日中の暑さは既に夏!という事で、今年初めての樹液採集を昼下がりに敢行しました。ここ数年、高標高地の採集に注力するあまり、平地の採集場所の情報収集が疎かになっていました。狙った種類を狙った場所で見つけるには冬からの下見と、直前の状況確認(樹液の出具合と周辺の環境変移)が不可欠です。
実は昨年の夏に、お客様が採集された大型のヒラタクワガタを見せていただきました。手に載せて匂いを嗅ぎ、じんわりと堪能させていただき感動すると同時に、『来年は私も必ず・・・』と密かに決意しました。子供を連れてカモフラージュ(他のセミプロ採集者にチェックされないため)し、狙った場所に出陣。2時間程で3頭のヒラタクワガタを見つけました。(内1頭は樹洞の奥に逃げられて写真撮れず)『逃がした魚は大きい』と言われますが、逃げられた1頭は一番大きかった(はず?)ので、近々再度挑戦予定です。今回、別のファミリー様御一行を見かけましたが、同じくカモフラージュであることは臭いで判りました。恐るべし・・・
                 (奈良営業所 赤阪)
 
ヒラタクワガタ
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蟻蜘蛛(2013年5月号)

5月上旬、小春日和というよりは初夏を思わせる休日に長女(小4)と次男(3歳)を連れて自宅裏の雑木林を散歩しました。この雑木林は針葉樹、広葉樹、竹林、開けた草原、土斜面、湿地などの変化に富み、小さな面積ですが季節毎に色々な虫と遭遇できる素敵な環境です。そんな雑木林の草むらでアリグモ(蟻蜘蛛)のオスを見つけました。
子供2人に
私 :「こいつはアリの真似をしているクモなんだよ!」
と教えましたが、
長女:「え〜、どっから見てもアリやで!クモじゃないよ。」
次男:「アリちゃんやぁ!」
私 :「良く見てみ!クモの顔しとんで。ほら、前足2本を浮かせてわざとアリの触角に似せとんねんで!」
長女:「ちっちゃいし、歩くの速すぎてぜんぜん分からへん。」
次男:「アリちゃん、アリちゃん」
若齢とはいえ、霊長類2頭に完璧な擬態を成功させるアリグモでした。小さいけれど肉食で蟻酸射撃という武器を持つ強いアリに擬態することにメリットがあると言われますが、私の説としては、『アリは食べると酸っぱい』ということを付け加えます。私が鳥やカマキリなどの捕食側になったと想像して、あの酸っぱいアリをたくさん食べたいとは思いません。例えるなら、梅干でお腹を膨らませるということです。これはつらいですよね・・・。
                 (奈良営業所 赤阪)
 
蟻蜘蛛
                 無断転載禁止

似て非なるもの(2013年4月号)

4月13日、自宅の裏山で今年初めてキアゲハ(黄揚羽)を見ました。キアゲハはアゲハチョウ科に分類される蝶で、昆虫に興味のない人でも知っているアゲハ(ナミアゲハ)と大変良く似ているので混同されることも多いのですが、見分け方(黄色の濃さ、特定部位の模様の違い等)を一度覚えれば数メートル離れて飛んでいても区別できるようになります。そっくりだから分類的に近い種類かと言えばそうでもなく、両者間に雑種は出来ません。
※全く似ていない真っ黒なカラスアゲハとキアゲハが実は比較的近い種類と言われ、雑種を作ることができます。
4令・5令幼虫の色・形は全く違い、ナミアゲハの食草はミカンやサンショウなどの柑橘類の葉であるのに対し、キアゲハはニンジンやミツバなどのセリ科植物を食草とします。もっとも、日本のほとんどのアゲハの仲間(クロアゲハ、カラスアゲハ、etc.)の食草が柑橘類の葉であることを考えると、キアゲハは変わり者かも知れません。ただ、1〜3令幼虫が鳥の糞に擬態しているのは共通しています。両者が似ている理由は諸説ありますが、私としては『たまたま似ている説』もアリかな〜と思います。ものすごく裏がありそうで、結局何もなかったりすること。皆様も経験ありませんか?
                 (奈良営業所 赤阪)
 
キアゲハ(黄揚羽)
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